株式会社白山

2025/03/28

テレワークで培った就業環境の優位性を活かし
「グローバルニッチトップ※」を目指す

会社概要・業務内容

社名:株式会社白山
ホームページURL:https://hakusan-mfg.co.jp
所在地:石川県金沢市、東京都豊島区
従業員規模:131人
業種:製造業
事業内容:通信及び電力に関する接続用品の開発・製造・販売
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リモートを前提とした「コミュニケーション環境の維持」を最優先事項に

光通信などで用いられるMTフェルール(MTコネクタ)などを製造する当社が、テレワークを導入したきっかけは2014年にまで遡ります。その頃、当社の経営状況が著しくありませんでした。業績回復に向け、石川、東京、埼玉に分散する各拠点への情報発信・意見交換を目的としたテレビ会議を導入するとともに、業務で使用するPCのOS・アプリケーションの統一など、“コミュニケーション環境の統一化” に対しては、あえて資金を惜しまず投資を継続してきました。
このように、当社ではリモートを前提としたコミュニケーション環境の下地がすでに出来上がっていたこともあり、2020年2月から開始したコロナ禍におけるテレワークにおいても比較的スムーズに移行できました。コロナ感染症の5類引き下げに伴い、テレワークから出社へ回帰する企業が増える中、当社では、2024年現在においても、①働き方改革、②人材確保、③生産性向上の観点から、テレワークを継続しています。
主力商品となるMTフェルールは世界2位のシェアを占める。

テレワークで働くことが難しい社員に“リスペクト”を持ち続けることを社内で周知

現在、テレワークを継続していることが、当社の人材確保において大きな強みとなっており、在籍している社員に対しても、会社へのエンゲージメントを高め、定着につながる効果が期待されています。
その一方で、求める人材に対しては、採用後、拠点を越えた上司や他の社員とのやりとりにおいて必要な、「コミュニケーション力」や「表現力」など、コミュニケーションの“質”が新たな課題として浮かび上がってきました。
また、上司が出社とテレワークを併用している場合、メンバーと対面で接する機会が限られてしまう状況においては、コミュニケーションの“濃度”が問題となってきます。そのため、会社としては、テレワークの頻度に対して、あえて規制を設けず、上司の判断で、その部署が最も効果が発揮できる働き方を自分たちで選べるよう一任しています。
さらに、当社ではIoTによる設備稼働の遠隔化・見える化が技術的にも可能となっていますが、業務の性質上、テレワークで働くことが難しい営業職や生産現場に従事する社員がいます。社員間の不公平感が生じないためにも、「出社を続けてくれている社員たちのおかげで、私たちはテレワークをすることができているのだ」という、“リスペクト”を持ち続けるよう、折に触れて周知するよう心掛けています。
営業や生産現場に従事する社員を
「エッセンシャルワーカー」としてリスペクト

ITリテラシーの底上げを図るため、代表が率先して実施する“アプリ教室”が好影響

現在、テレワークにおけるコミュニケーションではTeamsを活用していますが、社員のITリテラシーは一様ではありません。そこで、システム部門へ作成を依頼したマニュアルを活用し、「スタンプの押し方」や「コメントの投稿」など、操作の基本的をフォローしてもらっています。このほか、毎月1コースの受講が義務付けられているeラーニングに、「情報セキュリティ」などのコンテンツを追加することで、ITリテラシーの底上げを図っている状況です。
さらに、かつて漫画家を目指していた絵心のある当社代表の米川自身が率先してパワーポイントなどの“アプリ教室”を実施していることが、社員に好影響を与えています。
業務同様にアプリの使い方などを社内でレクチャーしている。

感謝したかった社員を毎月表彰するイベントを実施

テレワークにおいては、自分の意見や気持ちを安心して表現できる「心理的安全性」は不可欠な要素となりますが、それはコミュニケーションに限ったものではありません。当社では、「全ての社員に何らかの優勝体験を」という思いから他部門や他者への感謝を募り、毎月皆が最も感謝したかった社員を表彰する「Viva Victory」と名付けたイベントを対面で行っています。その模様は全社にTeamsや社内SNSを通して同時中継されています。ここでも「感謝されること」以上に「感謝すること」の喜びを分かち合うように努めています。
経営面においても、当社では、一番身近な社員が幸せにならなければ、お客様やパートナーも幸せにできないとの考えに基づき、“「ヒト」セントリック”(人中心)を掲げています。(※図参照)
“「ヒト」セントリック”を、「根底となる(ピラミッド図の)第3層として定義したうえで、次の第2層となる、「成長」や「レジリエンス(強靭性)」によって、会社として生き延びるためのサステナビリティを目指しています。
社内SNSでは社員が制作したイラストが用いられている。

「真のグローバルニッチトップ」を目指して

テレワークに限らず、経営者が“不退転の決意”を抱くことにより、社内に変革をもたらすことが可能となります。MTコネクタの製造も同様です。これまで構築してきたテレワークをベースとした就業環境の優位性を活かしながら、私自身も腹を決めて、当社の最終目標となる第3層の「真のグローバルニッチトップ」※を目指し、シェア世界1位となれるよう精進していく所存です。

※グローバルニッチトップとは、専門性が高い特定の市場において、世界的に高いシェアを獲得している、もしくはサプライチェーン上で重要な役割を担っている企業のことを指します。
会社が目指す目標を分かりやすく社員に示すために作成された図
石川県にある工場の外観
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