株式会社キッチハイク

2025/04/28

フルリモート体制を強みに地方の優秀人材を獲得

会社概要・業務内容

社名:株式会社キッチハイク
ホームページURL:https://kitchhike.jp
所在地:東京都台東区東上野4-13-9 ROUTE89 BLDG. 4F
従業員規模:35人
業種:サービス業
事業内容:地域と子育て家庭をつなぎ、未来をつくる留学プログラム「保育園留学」
Dinosaur

代表取締役CEOの移住を機にテレワークへ移行

当社は、1-2週間家族で地域に滞在するこども主役の暮らし体験「保育園留学」を運営しています。「保育園留学」は、保育園での一時預かり、宿泊、ワークスペース、地域体験などをパッケージ化し、こどもには大自然に触れる環境を、そして地域には家族ぐるみの超長期的関係人口の創出や地域経済への貢献をもたらすサービスで、令和3年にスタートし、これまで大人とこどもを合わせて約3,500人、約1,000家族が保育園留学を体験しました(令和6年7月現在)。
そもそも「保育園留学」は、当社の代表取締役CEOの山本雅也が仕事を通じて出会った厚沢部町の「認定こども保育園 はぜる」に感銘を受け、2021年に家族とともに神奈川県横浜市から北海道檜山郡厚沢部町に移住したことをきっかけに誕生したサービスです。山本が移住を機にテレワークに移行したことで、社内に徐々に「テレワークを選んでいい」という空気感が醸成されていきました。また「保育園留学」をはじめ、当社のサービスは地域に深く根差したものが多く、テレワークとの親和性が高かったこともこの流れを後押しした要因の一つです。気がつけば、社員のほとんどがテレワークを選択するようになり、その変化に合わせてテレワーク社員の声を聞きながら、制度や環境を整えていきました。
令和3年より開始した「保育園留学」事業

世界中どこでも勤務可能なフルリモート体制を採用

現在、当社ではフルリモートの働き方を採用し、地域に深く根差したワークスタイルを実現するべく「地域リモートで居住地も自由」という働き方を推奨しています。パソコンやディスプレイ、周辺機器は貸与する他、東京本社、北海道支社、九州オフィスの3拠点のオフィスを自由に利用できる環境も整えています。具体例として、デザイナーの社員が地域活性化企業人として岐阜県飛騨市に出向・移住したケースがあります。他にも、ライフスタイルの変化に合わせて地方移住を選ぶ社員や、多拠点居住を実践する社員もおり、それぞれの働き方に応じた柔軟な環境が実現しています。オフィス環境も整えていますが、出社は完全に自由で、個人の仕事内容や業務スタイルに応じた判断に委ねています。
テレワークの取組を通じて得られた知見は、「保育園留学」のサービスにも活かされています。利用者が安心して滞在できるよう、受け入れ先となる自治体の担当者と綿密に話し合いながら、テレワークを快適に行える環境を整備しています。具体的には、Wi-Fiの通信速度は問題ないか、滞在施設にワークスペースは確保されているか、打ち合わせができる個室はあるかといった点を、現地でしっかりと確認しながら調整を行っています。
現地でテレワークができる環境を整備

北海道から沖縄まで全国各地でメンバーが活躍

当社ではフルリモート体制へと移行してから、北は北海道、南は沖縄までさまざまな場所で社員が活躍する会社になりました。地元が好きで、かつやる気に溢れた優秀な人材を獲得できたことは、テレワークの強みの一つだと感じています。
また、テレワークは地方創生に貢献できるとも考えられます。日本では平成26年頃から地方への移住促進を政策的に進めてきました。ただ、「仕事」「暮らし」「コミュニティ」の3つが揃わなければ、人はなかなか移住に踏み出せません。中でも難しいのが「仕事」で、業種や職種の選択肢が少ない地方では、「来てほしいけれど仕事がない」と悩む自治体の担当者も少なくありませんでした。しかし、テレワークが定着した現在では、状況が変わりつつあります。場所にとらわれない働き方が実現できるようになり、居住地を自由に選べる動きが加速することを期待しています。
様々な地域で活躍する社員

組織の規模によって最適なコミュニケーションは変わる

フルリモート体制である当社では、コミュニケーションは基本的にチャットツールを活用しています。ただ、全員で話すことも重要視しているため、年に2回のリアルで一同が会う半期合宿とともに、毎週月曜日と金曜日に必ずウェブ会議ツールを使って全社ミーティングを実施しています。
ただこの先、さらに従業員数を増やしたときに、今のスタイルをどうすれば継承できるのかについては、考えるべきフェーズに来ていると思っています。例えば、100人の組織になった場合、全社ミーティングで全員が発言できるとは思えませんし、チャットツールでのやり取りをすべて把握するのは困難でしょう。難しい課題ではありますが、会社として次のステージに向かううえで必要なステップだと捉え、規模に合った最適なコミュニケーションの在り方を探っていこうと思います。
社内でコミュニケーションをとる社員の様子

トップが率先してテレワークを実践することが重要

テレワークは、今や業界・業種に関わらずすべての会社で取り組むべき課題になっていると思います。会社経営において、特に影響が大きいと考えられるのが人材確保の面です。近年はライフワークバランスの観点から地方に移住したいと考える人が増えており、社会課題に興味がある優秀な人材も流出傾向にあります。こういう人材を取り込みたいのであれば、なおさらテレワークの環境は整えておくべきでしょう。次世代の人材が何を求めているのか、ここを理解しておかなくては、どんどん若い人たちから選ばれにくい会社になってしまう恐れがあります。
また、テレワーク導入を決めたのであれば、トップが率先して動くことが重要です。社員は想像以上に社長の背中をよく見ているものです。社長がテレワークを実践する中で、「テレワークでも仕事はできる」、「場所にとらわれない仕事は楽しい」といったメッセージを行動で伝え続けていけば、テレワークの輪は自然に広がっていくと思います。
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