株式会社ニット

2025/03/18

心理的安全性に主眼を置いたマネジメントと独自の施策によって離職率削減に成功

会社概要・業務内容

社名:株式会社ニット
ホームページURL:https://knit-inc.com/
所在地:東京都港区
従業員規模:30人
業種:その他(BPO)
事業内容:オンラインアウトソーシングサービス「HELP YOU」の運営
Dinosaur

組織内における「一体感」の欠如が浮き彫りに

2015年からフルリモートを前提として創業した当社では、現在、世界35ヵ国に拠点があり、正社員と業務委託のメンバーを合わせて約580名が所属しています。その結果、「異なる価値観」を持つメンバーも多く、さらにテレワーク環境ではメンバー間の連携やコミュニケーションが不足しがちとなることから、組織内における「一体感」が欠如しやすいことが課題として浮き彫りとなりました。

「ビジョン」と「目標」を共有することで、自分ごと化を目指す

対応策として、組織全体でメンバー全員が定期的に「ビジョン」と「目標」を共有し、自分ごととして捉えるための施策を行っています。メンバー同士のコミュニケーションとフィードバックの強化・促進による相互理解を深めるべく、社内イベントの開催、TIPS※の共有や仕事のガス抜き的な会話ができるグループチャット「ぼそぼそ部屋」の開設、1on1、メンバーへのヒアリングを実践し、成果や進捗を共有する「フィードバック文化」を醸成しています。
また、チーム単位で対応している業務が多いため、ワークシェアリングやタスク管理表を導入し、「業務の透明性」を高めることで、「自分の役割は何か?」という個々の役割を明確にし、連携の強化に努めています。
※TIPSとは問題解決に役に立つちょっとしたヒントやアドバイスのこと
社内イベントの様子

「心理的安全性の不足」からの脱却

オンとオフの切り替えが難しいテレワークでは、長時間労働のリスクに伴う過労などと常に背中合わせであることに加え、オンラインでは雑談や日常会話が減少することによる“孤独感の増大”などが問題となります。いずれも、物理的距離による「心理的安全性の不足」が原 因となるものです。そのため、隔週の1on1による悩みのヒアリング、業務委託メンバーを管理するセクションであるHS(ヒューマンサクセス)による「相談フォーム」の設置などを行っています。
また、オンラインアウトソーシングサービス「HELP YOU」でディレクターとして働いているメンバーの場合、顧客とチームの“板挟み”になるケースも多く、過去には新人ディレクターがオンボーディング※の段階で退職してしまうケースも少なくありませんでした。
そこで対応策として、2つの施策を実施しました。1つ目は、新人研修終了後から独り立ちまで、2ヵ月のOJT期間を設け、「その日の悩みはその日のうちに解決」を目的とした朝会、HS所属の「育成チーム」の指導による、社内のメンバーへのアサイン方法など、“内部の実務スキル”を習得してもらい、現場への適応・自立をサポートする体制を構築しました。2つ目の「バディ制度」では、同じ業務経験を有する先輩ディレクターが、新人のサポート役として指導・伴走するとともに、“対外的業務”における不安や悩みを払拭する役割を担っています。
※オンボーディングとは、新人メンバーを早期に戦力化するための施策のこと
オンライン会議での1on1の様子
オンラインアウトソーシングサービスのロゴ

時代の要請としての「リスキリング」も視野に

マネジメントにおける一連の取り組みが功を奏した結果、創業9年目にして、メンバーの定着率は向上し、心理的安全性の醸成を実現することができました。新人ディレクターに関しては、定着率85~100%を維持するまでに至っています(※2024年9月時点)。
今後は、これまで蓄積してきたノウハウなどをアーカイブ化し、いつでもどこでも簡単に参照できる状態を構築することで、顧客対応や品質担保のさらなる向上を目指しています。
さらに、実務における技能面においても、「リスキリング」の観点から、「学びの機会の提供」と「スキルの見える化」ができる仕組みを拡充していく予定です。
フルリモートで働く従業員の様子
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