フジ住宅株式会社
2025/03/28
社員の提案がきっかけとなったテレワーク導入
当社がテレワークを初めて導入したのは、平成21年、新型インフルエンザによるパンデミック対策の一環としてでした。社員から「子供が感染して看病のため出社できないけれども、在宅なら仕事ができます」という提案を受け、パソコンなどを自宅に送って在宅勤務ができるような対応を取りました。
背景には、当社が30年以上取り組んでいる「提案制度」があります。会社に提案したいことがあれば、どんどん提案してよい、という制度です。提案書は直属の上司から社長・会長まで提案内容に関係する役職者に一斉に提出してコメントを頂くルールになっています。また「聞けばいいだけ、言えばいいだけ」というフレーズが社内に定着しており、ボトムアップで意見を述べやすい風通しの良さが、テレワークの推進にも役立ちました。
本社オフィス
細かいルールは設けず、本人と上司の判断に委ねる
より働きやすい職場づくりのため、平成29年に本格的なテレワーク導入を開始しました。初めから細かい規定をつくらず、「まずは始めてみて、走りながら考えよう」という姿勢で取り組み始めました。就業規則に定める際も、育児や介護など、家族に関わるような事情があればテレワークができるようにし、運用は現場の判断に任せ、各部署の上司が了承すればOKとしました。勤務中の中抜けなどについても細かいルールは設けていません。なかには、家族の転勤に合わせてフルテレワークで勤務した社員のケースもあります。また、平成30年に完全在宅勤務による障害者雇用も始めました。勤務中にリハビリ施設や透析に通うなど、働き方については個々の事情に合わせて柔軟に対応しています。
完全在宅勤務でテレワークを行う障害者社員
営業や建築などの現場ではDXを推進し、出社・帰社しなくてもいい体制に
営業マンや建築士、マンション管理人など、取引先や現場で働く社員の働きやすさ向上のため、DX(デジタルトランスフォーメーション)も推進してきました。モバイルPCやタブレット端末を貸与してペーパーレス化を進めることで、帰社しなくても報告書を提出できるようにしたり、協力業者さんの理解を得て受発注のシステム化も行いました。また、営業の場合、以前は中古物件を買取する際の査定資料を会社に戻って作成し、上司に提出していましたが、今は現地で査定の申請ができる仕組みを導入しました。これらの取り組みにより現場での作業が効率化し、残業削減にもつながり、現場で働く社員のワークライフバランスの向上に役立っています。
現場でモバイル端末を使って作業を行う様子
「経営理念感想文」を通してテレワーク活用法を社内で共有
テレワークの社内普及に一役買っているのが、全社員が毎月社長に提出する「経営理念感想文」です。感想文は社長が全て目を通し、社員全員が共有した方がよいものをピックアップしてフィードバックしています。その中にはテレワーク活用に関する感想文もあり、それを読んだ別の社員が「なるほど、こういう活用の仕方もあるのか」と知ることで、テレワーク活用が社内に広まりました。
テレワークを導入したことで、「働きやすい」という言葉をたくさん耳にし、社員にとても喜んでもらえている実感があります。もともと風通しのよい社風に加えてテレワークが可能になったことで、一層働きやすい環境になり、人材の獲得・定着にもつながっていると考えています。今後も社員の要望に応えて、より働きやすい環境づくりに努めてまいります。
モバイルワークを行う社員