あすか製薬株式会社
2025/03/28
在宅勤務の取得回数は上限なし、職種によっては在宅メインで働く従業員も
コロナ禍を機に、工場現業職を除く全従業員を対象に在宅勤務制度を導入しました。これに合わせモバイルPCやスマートフォンを貸与し、インフラ面を充実させています。在宅勤務でも出社勤務と等しく仕事ができる体制に大きく転換しました。さらに在宅勤務の取得回数に上限はなく、各部門の判断により運用を可能としているため、職種によっては在宅勤務中心で働いている従業員もいます。
一方で、本社オフィスは全館フリーアドレスにリニューアルし、ミーティングスペースや、個室空間で外部とウェブミーティングができるスペース「テレキューブ」を多数設けました。リニューアルによりコミュニケーションスペースと個室空間をバランスよく配置しています。
現在、本社に所属する従業員の出社比率は50〜60%となっています。
オフィス内に設置した個室空間「テレキューブ」
コアタイムなしのフル・フレックス制度により、週休3日も可能に
2020年には工場現業職と裁量労働制の研究職を除き、コアタイムなしのフル・フレックスタイム制度を導入しました。一日の勤務時間を定めず、朝7時から夜9時までの間で従業員自身が勤務時間を決めることができます。1カ月の総労働時間を満たせばよいため、週4日9〜10時間働くなど、自己管理の仕方によっては週休3日にすることも可能です。
フル・フレックス制度導入の一つの要因としてMR(医療情報担当者)職のみなし労働時間制を見直すことが挙げられます。みなし労働時間制では時間管理が課題となっており、定められた時間の中で健康管理時間を確保しつつ、ワークライフバランスが充実できる風土醸成への改善を目標としていました。そこでMR職については、業界の中で先陣を切ってフル・フレックス制度に変更しました。
時間管理を強く意識付ける施策として「タイムマネジメント研修」を実施
限られた時間の中で成果を出し、作り出した時間は自己研鑽や家族のために
在宅勤務とフル・フレックスの制度導入には、働き方改革の取組があります。
労使による「働き方改革推進委員会」で検討した結果、従業員が自分自身で時間をコントロールし、限られた時間の中で成果を出すことができる風土を目指し導入しました。これにより作り出した時間を、自己研鑽や趣味、家族との時間、休養に使うことで、エンゲージメントが向上する環境をいち早く醸成したいという考えがあります。
導入に当たっては、管理職が時間管理を適切にできるようにタイムマネジメント研修を2〜3年かけて実施したことが制度定着の基盤になりました。また、「働き方改革推進委員会」で働き方に関する課題を全従業員に共有しながら推進したことで、全社への浸透もスムーズに進みました。
研修用カリキュラムの概要
時間の自由度が高まり、従業員の自己研鑽にもプラスに
当社では従業員の自律的な学びを重視し、業績評価の10%を業務に関する自己学習に割り当てています。
専門能力開発をサポートするeラーニングシステム「Udemy」や、書籍の要約が読めるサービス「flier」の導入、選択制研修や通信教育研修も整備しています。
フル・フレックス制度では、1分単位で中抜けが可能なため、目標に合わせて学ぶことができます。時間の自由度が高まったことで、従業員の満足度も高く、エンゲージメント調査では高い数値を維持しています。
これらの制度は、中長期的には人材の定着につながり、事業の成長にも寄与するものと期待しています。
柔軟な職場環境で働く従業員の様子