コニカミノルタジャパン株式会社
2025/03/28
分断のないオープンな新オフィスへの移転と同時にテレワークも開始
平成26年、当社は本社オフィスを移転しました。この移転は、当時進めていた働き方改革の大きな転機でもありました。移転前のオフィスは組織ごとにフロアが分かれ、組織間の連携が取りにくい「サイロ化」の状態にあることが課題でした。新しいオフィスとして選んだのは、各組織がコラボレーションしやすいメガフロアです。パーテーションのないオープンなレイアウトとフリーアドレス制を採用し、偶発的なコミュニケーションが生まれる環境を整えました。また、固定席の廃止に伴い、社員全員にノートパソコンとスマートフォンを支給してクラウドベースでの業務を可能にするとともに、営業職・技術職を対象にテレワークを実施しました。
新オフィスのフリーアドレスエリア
「保存文書ゼロ化」に成功し全社員がテレワーク可能な環境に
本社オフィス移転時に、保管されていた膨大な量の文書は6割近く削減しましたが、しばらく経つとまた文書が増えていき、紙に依存した業務があるために出社する社員もいるなど、紙がテレワーク推進の妨げになっていました。そこで平成28年にスタートしたのが「保管文書ゼロ化」の取組です。「ルール」「システム」「人」の3つの視点で改善に取り組み、紙の文書は仕掛かり中の案件に限定し、それ以外はクラウドや外部倉庫で管理する方針に転換しました。この取組によって全国の支社支店を含めて約9割の紙文書削減に成功し、リモート業務の範囲が広がり、営業職・技術職のみ可能だったテレワークは、翌年に全社員へと拡大しました。
「いいじかん設計」とオフィスリニューアルでさらなる改革に乗り出す
働き方改革は一定の効果を上げましたが、次第に「削減」そのものが目的化してしまったため、改めて本来の意義に立ち返ります。「削減」ではなく、未来に向けて会社を変革させていく、生産性・創造性を高める働き方を実践する「いいじかん設計」というコンセプトを導入しました。これに基づき「いつでも、どこでも、だれでも働ける環境づくり」を自社実践しています。
また、コロナ禍を経てオフィスリニューアルも実施しました。「ABW(Activity Based Working)」のワークスタイルを取り入れ、業務内容や目的に応じて働く場所を選択できるよう社内をゾーン分けしました。コミュニケーションを促進するスペースや様々な形の什器を採用し、BGMやアロマなどリラックス効果を高める工夫も取り入れています。
議論が弾む「High Collaboration」エリアしたオフィス内カフェ
「自律・共助・共創」を軸にこれからの働き方を追求する
リニューアル後のオフィスのコンセプトは「つなぐオフィス」です。テレワークが定着し、どこで働いても問題なく業務が進められるようになった現在、オフィスを単なる作業場ではなく、人と人がつながり、新しい価値を生み出す場所として活用していきたいと考えています。移転前の課題であった組織のサイロ化については大きく改善され、役職を越えてコミュニケーションを取りやすいフラットな環境が整いました。今後のキーワードは「自律・共助・共創」です。社員一人ひとりがプロフェッショナルとして自律し、必要な場面では助け合い、部門を越えたつながりで新しい価値を創出する。この理念を軸に「いいじかん設計」をさらに進化させ、よりよい働き方と高付加価値なビジネスを追求していきたいと考えています。
リニューアル後の「つなぐオフィス」の様子