有限会社トップリバー
2025/03/28
会社概要・業務内容
社名:有限会社トップリバー
ホームページURL:https://www.topriver.jp
所在地:長野県北佐久郡御代田町御代田3986-1
従業員規模:100人(うち季節雇用60名)
業種:製造業(農業法人)
事業内容:大規模経営農家育成支援事業 野菜の生産・販売 新規就農者の育成
テレワーク導入を機に管理系業務をデジタル化
当社は農業を通じて、家族や仲間、地域の人たちを幸せにすることを理念の一つとし、「儲かる農業」の実践に取り組む農業法人です。農業を取り巻く多様な情報を活用しながら独立就農研修を行い、単なる農作業技術の習得に留まらず、経営まで担える農業人材の育成を目指しています。
当社ではコロナ禍以降、テレワークを積極的に推進してきましたが、その導入において避けて通れなかったのが管理系業務のデジタル化でした。従来、経理や人事、業務管理といった業務は紙ベースや対面でのやり取りが中心であり、遠隔でもスムーズに遂行できる体制をどのように構築するかが検討のポイントでした。さらに当社の場合、これらの管理系業務を特定の担当者が一手に担っていたため、デジタル化を機に属人化を解消し、誰でも対応できる仕組みを整えたいという狙いもありました。
社員集合写真
デジタル化により課題であった業務の属人化が解消
デジタル化にあたっては、まず出退勤管理から着手しました。それまで従業員は一度事務所に出勤してタイムカードを押してから農場へ向かうのが一般的でしたが、スマホから出退勤を記録できるクラウド型の勤怠管理システムを導入したことで農場への直行直帰が可能となり、業務の効率化が図られました。次にオリジナルの栽培管理システムを自社で開発し、農場での作業内容や収穫量をスマホから即時入力できる仕組みへ移行しました。さらに販売管理システムと連携することで、在庫状況や販売データをリアルタイムで共有できる仕組みを作りました。
また経理業務も大幅にデジタル化しました。紙と手作業で行っていた業務をクラウド型の会計システムに移行し、銀行口座との同期機能を活用することで、出納帳の入力や入出金の確認、消込作業の自動化を実現しました。また税理士とのやり取りもクラウド上で完結させ、書類の印刷や郵送の手間を削減しました。出社しなくても業務が遂行可能で、かつチームで業務を担当できる体制を整えたことで、課題であった管理系業務の属人化も解消しました。
スマホを使って農場のデータを入力
遠隔地に居住しながら働く「完全テレワーク勤務」を実現
テレワークの導入により、全従業員の業務の効率が大幅に向上したことを実感しています。特に直行直帰が可能になったことで、移動時間が削減され、従業員の負担が軽減されたことは大きな成果の一つです。またペーパーレス化の推進により、手描きの文字が読めないといった問題や、雨や風で伝票が破損するリスクもなくなり、業務の正確性も向上しました。当社の場合、出退勤管理や売上管理といったお金に直結する業務からデジタル化を進めたため、「早く慣れなければ」という意識が関係者全員に生まれ、比較的スムーズに移行できたように感じています。
またテレワークの浸透により、遠隔地に居住しながら働くことも実現しています。その代表的な例が、当社の子会社である「トップリバーアカデミー」です。人材育成システムの運用を担うこの会社では、業務の特性上、場所を選ばずに働くことが可能です。そのため結婚や家庭の事情などライフステージの変化を機に長野県を離れる従業員にも、そのまま働き続けられる環境を提供できるようになりました。テレワークの導入は、業務の効率化だけでなく、優秀な人材の確保や柔軟な働き方の実現という点でも、大きなメリットをもたらしています。
遠隔で事務作業をサポート
ジョブ型評価とテレワークの最適化を推進
テレワークの導入をきっかけに、業務の進捗や成果の可視化がより重要になったと感じており、ここが次の課題だと捉えています。今後はジョブ型の働き方を意識し、タスク単位での評価基準を設定することで、誰がどのように業務を進めているのかを明確化していきます。同時に成果に応じた評価制度を確立し、従業員のモチベーションを維持・向上できる職場づくりを進めていきたいと考えています。
また当社はテレワーク環境を整えてはいるものの、テレワークそのものを目的としているわけではありません。実際、業務の性質によってはリアルなコミュニケーションが欠かせない場面もあり、たとえば新規取引先との関係構築や、細かい調整が必要な業務では、対面の方がスムーズに進むケースが多いのも事実です。それぞれのメリットを踏まえたうえで、今後は「リアル」と「オンライン」の最適なバランスを見極めながら、より効率的かつ柔軟な働き方を追求していきたいと思います。